【最新アメリカ映画・テレビ事情】第五回
[2007-08-06]
「フロリダ エヴァーグレイズ国立公園でワニとラブラブ」
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プロフィール:
こんにちは! フロリダ在住の映像翻訳者、荒木小織と申します。
5年前にアメリカ人の夫と結婚し、移住しました。現在も日本の制作会社と仕事を続けています。
これからしばらくこちらのサイトに、アメリカの最新映画・テレビ事情をお届けしていくことなりました。
翻訳者として、業界全体の動向なども時々交えながら、皆さんに情報をお伝えできれば、と思います。
是非読んでくださいね!
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第五回 アメリカの夏休み映画 大ヒット作は?
みなさん、こんにちは!
今回もまた、アメリカから最新エンタメ情報をお届けします。
最近の話題作と言えばやはり「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」。今さら言わずもがなですが、世界中で文句なく大ヒットしてます。アメリカでは「ハリー・ポッター」の映画公開、本の発売のたびに、キリスト教団体からの反対運動が起こり、毎回大きな話題となります。
「反キリスト教的な魔法・魔術を、子供たちに広めている」から。今回は、なんだかローマ教皇まで懸念を表明したりして。私は、寛容で進歩的な前の教皇が好きだったなぁ…。(ってキリスト教徒でもないですけど。)日本人的には「ハリー・ポッターのどこが悪いの?!」とビックリなのですが、世界中の多くの人たちには大問題なわけです。日本ほど宗教が「ゆるゆる」な国はちょっと珍しいわけで《笑》。
アメリカでは、ハリー・ポッターに限らず、超能力や、魔法、悪魔などが題材になった映画・テレビは「悪魔を招き入れるから絶対に見ない」という人たちは本気でたくさんいます。大昔から宗教が原因になった諍いや戦争は後を絶たず、いまだにそこから抜け出せない人類ですが、宗教が「ゆるゆる」な現代の日本人に生まれたのはよかったのか、どうなのか。
もちろん宗教は数え切れない恩恵も人類に与えてきたわけで、アメリカでも「信仰心の濃い人は強いなあ」と思わされますが、大抵の日本人はそんな「確固たる心の支え」もなしに生きてきて、その割りにみんなよく頑張ってるよなあ、と手前ミソながら日本人の健気さに私は涙ぐんじゃいます《笑》。…って「ハリー・ポッター」に全然関係なくて失礼《笑》。
ハリー・ポッターとボックス・オフィス上位を分け合ったのは、コメディ"Chuck & Larry"と日本では10月公開のミュージカル「ヘアスプレー」。
"Chuck & Larry"はアダム・サンドラーとケヴィン・ジェームズがゲイ・カップルとして結婚するっていう、またあり得ないお話。アダム・サンドラーがゲイって…。2人は消防隊員で、ケヴィンが奥さんを亡くし、彼の子供達が将来年金・保険などの恩恵を間違いなく得られるようにと、アダム・サンドラーが同性愛のフリをして結婚してあげる、というお話。
アダム・サンドラーも、「ナイト・ミュージアム」のベン・スティラーも、次々コメディを量産し、アメリカ大衆の週末の憂さ晴らしに大いに貢献してますが、お気楽なコメディながら、アイデア切れのハリウッドにあって次々と突飛なアイデアを思いつくあたり、かなり感心しちゃいます。
一方「ヘアスプレー」は、おデブな女の子が主役のミュージカルなんですが、その女の子の、またおデブなお母さん役がなんとジョン・トラボルタ!「お母さん」ですよ!《笑》。そしてトラボルタの「旦那さん」役が、クリストファー・ウォーケン!
日本で10月公開だそうなので、もう劇場で予告編などを見た方もいるかと思いますが、ジョン・トラボルタが特殊メイクでデブなおばちゃんに変身、それでもそれほどゲテモノ?にはならず《笑》、お尻をフリフリ軽快且つキュートなダンスを見せています。
あの「おデブスーツ」でよくあんなに微妙にお尻がふれるなあ!と驚き。その昔「サタデー・ナイト・フィーバー」や「グリース」で見せたダンスの腕前は鈍ってないようです。テレビのインタビューでトラボルタが話していたのですが、撮影現場で女装のおデブスーツを着て、「お尻触らせてあげる」とみんなに言い回り、「相当アバズレだったよ、僕は!」だそうで《笑》。日本での公開を是非お楽しみに!
それではまた来月!