お仕事見学 テレビ好きなあなた、語学力を番組制作に活かしませんか?

2020年の東京オリンピックを控え、益々注目が集まっている英語のお仕事に放送翻訳というジャンルがあります。 テレビ局や在宅で映像翻訳やリサーチ、映像の使用許諾などを行います。

今回は放送翻訳の魅力について、放送翻訳者として活躍中の吉田真弓さんに、様々な角度からお話しをうかがいます。 インタビュアー:映像翻訳会社ワイズ・インフィニティ岸靖雄
岸(以下、司会)



司会)最近、案件数の増加に比例して、放送翻訳に興味をお持ちの方が増えておりますがそもそも放送翻訳とはどういった業務でしょうか?



Q1:放送翻訳とは?
吉田さん) 海外ロケや取材、国内での街頭インタビュー、ドキュメンタリー番組、面白映像、記者会見などで外国人のしゃべりが吹き替えやテロップになっていますよね?その作業を陰で支えているのが放送翻訳者です!
「えっ字幕翻訳者の仕事では?」と思っている人がいるかもしれませんが、映画の字幕と違ってスクリプトがなく、聴き取って訳すのが特徴です。そのため、リスニング力が問われます。

また、新しい情報をいち早く報道するのがメディアなので、放送翻訳者の仕事もスピードが常に求められます。今やった作業が数十分後にオンエアされることもあります。 最近ではテレビだけでなく、成長株であるネット配信番組の制作にも関わっています。

司会)なるほど、テレビやネット配信番組で使用する映像の翻訳が多いのですね。 海外のニュースが、リアルタイムで入ってくる時代になっている現在、 益々放送翻訳の需要は高まっていくのでしょうね。 作業内容について、もう少し細かくご説明いただけますか?

 

 

Q2:作業内容
吉田さん)大きく分けて3つ、大半は外国語→日本語です。

1つ目は映像翻訳です。
素材は音声だけの場合もありますが、海外ロケや取材、国内での街頭インタビュー、ドキュメンタリーなど海外のテレビ番組、面白映像、記者会見など多岐にわたっています。 また、原則スクリプトがなく、話し言葉が多くなりますので通訳スキルが必要です。でも、通訳と違い、巻き戻して聞き直すことができます。

ココがポイント!
タイムコードの入力必須: 【1センテンスごと、長くても10秒ごとには入れます。もちろん話者が変わるタイミングでも入れます。】

2つ目は文書翻訳です。
素材はネットに掲載されている新聞や雑誌記事、外電(CNNやロイターなど)のキャプションなどです。翻訳スキルが求められます。 といってもマニュアルなど大量かつ単調な翻訳作業ではなく、視聴者にいち早く届けたいニュースや面白ネタの翻訳なので、大半は数ページ(ツイッターなら数行)の短い文書翻訳になり、コメントなど話し言葉が多いので、ここでも通訳スキルが役に立ちます。

3つ目はリサーチ作業です。
作業内容はニュースの裏取り、素材探し、映像や記事などの使用許諾を取る、取材許可 を取る等、多岐にわたります。 知識、好奇心、粘り強さが求められる業務になります。 知識を得るため、日々、新聞などでニュース(エンタメ含む)に目を通し世の中の流れや世界情勢を広く浅く把握しておくと役に立ちます。

その他、電話取材があります。
電話取材を背後から撮影し、その後音声を翻訳するテレピック作業もあります。 メディアという立場でなければ接することができない人と話ができるエキサイティングな仕事です。

司会)なるほど、日々様々なことにアンテナを高くしている必要があるということですね。 つまり、テレビやニュースを毎日気にしている方には、さほどハードルは高くないのかもしれませんね。次は作業場所についてお聞かせください。

 

 

Q3:作業場所
吉田)主にテレビ局や制作会社での現場作業と在宅作業があり、案件によって異なります。どちらでも対応できるとクライアントから重宝され、作業を気に入ってもらえば指名で依頼してもらえます。

司会)なるほど指名をしてもらえると、コンスタントに仕事を受注できますね。 現場作業と自宅作業で大きな違いはございますか?

 

 

Q4:現場作業と自宅作業の違い
吉田さん)現場作業はディレクターの依頼に応じて作業します。比較的多いのがニュースの裏取りです。例えば、米主要メディアが報じているが、どのメディアがどのように報じているか記事を探し抜粋翻訳します。また、外国人に街頭インタビューをするロケに同行して、その後局に戻って翻訳する作業もあります 局によって異なりますが、基本的に映像の起こしはシステムを使って行うので、素材(主にAPやロイター、CNNなどの外電)にアクセスするためのシステムの使用に慣れる必要があります。アクセス方法はとても簡単なので一度教えてもらえば大丈夫です。忘れたらADさんを頼りましょう。ADの皆さんはとても親切です。

在宅作業は発注翻訳会社の依頼に応じて作業します。
在宅作業でもスピードが求められ、少量なら当日中の納品が当たり前です。

ココがポイント!
インターネット接続環境(映像のダウンロードに不可欠)とパソコンの性能が大事です。パソコンが納品直前にダウンする悲惨な出来事が起こりえるので、パソコンは2台必要。ファイルはクラウドに保存し、別のパソコンからもアクセスできるようにしましょう!!

司会)なるほど現場作業はディレクターからの指示で、自宅作業は翻訳会社の担当者の指示で行うのですね。 ここまで記事を読んで下さった方は放送翻訳にとても興味をお持ちいただいている方だと思います。放送翻訳の特徴を教えてください 。

 

 

Q5:放送翻訳の特徴
吉田さん)まず納期が短い!現場の場合、大半が「なるはや」で局に入って欲しいという依頼です。現場に急行して、大急ぎで翻訳をして、オンエアに間に合わせます。 在宅の場合も数時間から1~2日ほどで納品。全てにおいてスピードが求められます。

司会)この仕事に向いている人にはどういった共通点がありますか?

 

 

Q6:向いている人
吉田さん)時間に余裕があり、フットワークが軽い人、好奇心がある人、 主にテレビの仕事なのでテレビが好きな人ですね。 担当した番組を見ると、番組趣旨や方向性がわかり次の仕事に役立ちます。

司会)なるほど、対応力がある人ですね。 ここまでお読みいただいた方はとても気になっていると思いますが、 吉田さんの放送翻訳のキャリア・ 放送翻訳者になったきっかけを教えてください。


吉田さん) 私が放送翻訳の仕事を始めたのは2003年にワイズ・インフィニティに登録してからです。それまで、テレビ朝日の外報でCNNをモニターする仕事やアーカイブ部での外電キャプション翻訳の仕事、通訳や在宅翻訳などを不定期で細々とやっており、CNNモニターの仕事が終了したのをきっかけに、テレビの仕事をネットで探しワイズを見つけました。昔から影響力が大きいテレビの仕事に興味がありましたので、実際テレビ番組の制作に少しでも関わる仕事ができるようになり、大変満足しています。新しもの好きなので、常に最先端のホットな話題に触れることができる放送翻訳は魅力的な仕事です。
あっ、ちなみに主に英日を担当しています。
具体的に魅力を3つ上げますね。

1つ目は自分の作業が番組内で確認できること。実務系の翻訳は納品後、どう使われたのか把握できないことが多いですよね。番組を視聴すれば、次回の作業に活かせるのも放送翻訳の魅力です。

2つ目は視聴者よりもいち早く情報を知ることができる優越感。これは、この業界が好きな人なら共感できるのでは?

3つ目は、そうですね。放送されるのは翻訳やリサーチのほんの一部なので、一般には知られていない情報やニュースの裏側にアクセスできる特権ですかね(笑) みなさんにも是非、実際やってみて放送翻訳の魅力を味わって頂きたいですね。

司会)なるほど、様々な魅力がある放送翻訳ですが、興味をお持ち方は放送翻訳者という 道をご自身の人生の選択肢に入れてはいかがでしょうか? 吉田さん本日はありがとうございました!

吉田さん)ありがとうございます!
(以上)



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