【最新アメリカ映画・テレビ事情】第二回
[2007-05-03]
「フロリダ エヴァーグレイズ国立公園でワニとラブラブ」
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プロフィール:
こんにちは! フロリダ在住の映像翻訳者、荒木小織と申します。
5年前にアメリカ人の夫と結婚し、移住しました。現在も日本の制作会社と仕事を続けています。
これからしばらくこちらのサイトに、アメリカの最新映画・テレビ事情をお届けしていくことなりました。
翻訳者として、業界全体の動向なども時々交えながら、皆さんに情報をお伝えできれば、と思います。
是非読んでくださいね!
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第二回 B級二本立て「グラインドハウス」
4月にアメリカで話題となったのは、タランティーノとロバート・ロドリゲス(「シン・シティ」「デスペラード」などの監督)それぞれの監督作が2本立てで公開された「グラインドハウス」です。
グラインドハウス("grindhouse")とは、「場末のオールナイト映画館」という意味。
2人の監督がそれぞれ担当した85分の映画の2本立てなので、こういうタイトルになりました。
そのタイトルにふさわしく、2本とも両監督が好きなB級バイオレンス路線を追求したもの。
タランティーノ担当作は"Death Proof”、ロドリゲスの方は"Planet Terror"。
"Planet Terror"では、ローズ・マッゴーワンが機関銃の義足(!)でゾンビと戦い走り回り、タランティーノ担当の"Death Proof”では、ストーカー役のカート・ラッセルが、若い娘らを車で追い回しひき殺す!とかすごい内容のようです《笑》。
ロドリゲスの「デスペラード」での銃さばきも、まるで舞踏を見るようで美しかったですが、マッゴーワンが義足の機関銃を脚に着けたまま乱射するシーンも相当キレイ。
"Death Proof"でのカーチェイスはCGなしで全てスタントマンの実演。かなり迫力ある映像になっているよう。
アメリカでの公開前後に、監督・出演者らともトークショーをハシゴしてプロモーションしてましたが、ローズ・マッゴーワンは、アメリカ人には珍しく「あたし、運の悪い女なのよね。いいこと1つもないの」なんてネガティブ発言をするけだるい感じの女優さんで、「映画の雰囲気ピッタリ」。
"Death Proof"で主役のロザリオ・ドーソンは、逆に大口開けて大笑いしてばかりの超明るい「アキバ系」。
アメ・コミが大好きで、日本で言うコミケのようなものにもよく行くそうです。
彼女が主人公のコミックも存在するとか。
これも、そういう意味でタランティーノ作品にピッタリの女優さんですね。
日本での公開権は、つい最近どこかの制作会社さんが買ったそう。
ただ実はアメリカでの興行収入は予想したほどよくなかったようで、やっぱり2本立てがキツかったのかしらー、って感じですが、内容自体はかなりいい評価を得ています。
日本での公開をぜひ楽しみにしてくださいね!