新連載!【最新アメリカ映画・テレビ事情】第一回

[2007-04-05]

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「フロリダ エヴァーグレイズ国立公園でワニとラブラブ」

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プロフィール:
こんにちは! フロリダ在住の映像翻訳者、荒木小織と申します。
5年前にアメリカ人の夫と結婚し、移住しました。現在も日本の制作会社と仕事を続けています。
これからしばらくこちらのサイトに、アメリカの最新映画・テレビ事情をお届けしていくことなりました。
翻訳者として、業界全体の動向なども時々交えながら、皆さんに情報をお伝えできれば、と思います。
是非読んでくださいね!
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第一回 意外なヒット作「300」

今回は、意外なヒット作、映画“300(スリー・ハンドレッド)”(WB)について。イランが内容に抗議した、という件で日本の普通のニュースでも話題になっていたけど見ました? スパルタ兵300人が25万のペルシャの大軍を破った「テルモピュライの戦い」という史実の映画化で、低予算(とはいえ60億円)、有名スターゼロ、だったにも関わらず、2週連続興行成績1位、R指定の映画では歴代3位の売り上げでした。
とにかく血しぶき飛び散る戦闘シーンと、戦士役の役者達の肉体美がすごいようで、(そこに肌も露わな奴隷役の女性陣が加わり。)そのものすごい戦闘シーンにもかかわらずロケは1シーンも無し! 全てスタジオ撮影、背景や「25万の兵士」は全部CG仕上げです。原作が「シン・シティ」の原作・監督のフランク・ミラー、監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド」のザック・スナイダー。「シン・シティ」の映像は斬新で私も個人的に好きだったのですが、この作品も劇場で見るとかなり迫力がありそう。
どうして意外にも大ヒットになったか。原作がグラフィック・ノベル(要するにコミック系)なため、コミック・コンベンションなどのプロモーションで少年達のハートを鷲掴み!にし、さらには今話題のYouTubeにトレーラーの映像が流れて(無断で。)火が点いたとか。コミックとネットの力は絶大!ですね。ただし批評家の評判はイマイチなので、(「物語」はほとんどなく《笑》、大部分が戦闘シーンだとか。)見るときは、映像のみに注目した方がいいかも?《笑》
だけどイランとの関係がずっと微妙なアメリカ、この映画がきっかけでまた妙なことにならないといいんだけど。日本人が「ラスト・サムライ」を見ていても、笑っちゃったりムッとしたりするぐらいだし、時代考証・文化考証の甘いハリウッド映画のこと、敵対しているイランの人達が見たら怒るのもちょっと分かる気がする…、と思っちゃいます。