現役翻訳者のインタビュー:田邉拓郎さん

File no.015:田邉拓郎さん

映像翻訳歴 : もうすぐ3年

小学校1~5年をアメリカ・メリーランド州で過ごし、帰国後とくに何も考えず大学まで進む。途中で嫌になって子供の頃からの安易な考えをもとに映像翻訳へ路線変更する。質素な暮らしを武器に現在まで生きながらえる。今後の行方は不明。

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質問1 映像翻訳者になる前はどんな仕事をしていたのですか?

バイトや派遣社員をやってました。その前は学生です。

質問2 海外生活での生活のご経験は?

現地の小学校に通いながら、土曜日は日本語学校へ行く、という感じでした。わりと勉強が得意で、体格的にもコンパクトな作りだったためか、学校の先生からは気に入られ、友達にも優しく接してもらえました。学校にはいろんな子がいて、黒人の子やら韓国人の子やらユダヤ人の子やら耳の不自由な子やらと一緒になって遊んでました。結局手話は覚えられませんでしたが。一番仲のよかった男の子はユダヤ人だったらしく、クリスマスの頃に家に遊びに行って訳も分からずハヌカを一緒に祝ったのを覚えてます。と言っても覚えてるのはフォークみたいな形をしたろうそく立てぐらいですけど。家ではテレビ好きだったので、「The Cosby Show」「Who’s the Boss」「Three’s Company」などのドラマや、「Teenage Mutant Ninja Turtles」「The Real Ghost Busters」「Duck Tales」などのアニメを見ながら育ちました。それから、学校で読書の時間というのがあって、先生に薦められて「ボックスカー・チルドレン」シリーズ、「A Wrinkle in Time」シリーズ、「大草原の小さな家」シリーズなどの児童向けの本もいろいろと読んだりしてました。

質問3 なぜ映像翻訳者になろうと思ったのですか?

自分の好きなことに関係していて英語を生かせて自分が一生続けたいと思える仕事を考えた結果、たどり着きました。

質問4 プロを目指すために、具体的にどのように勉強したのですか?

とりあえず映像翻訳学校に通って、その後は祖母の家にあった昭和文学全集を手始めに、時代小説やらライトノベルやらベストセラーを読んでみたり、古い映画なんぞを見るなど、多くの日本語に触れるよう足りない頭で考えてまいりました。

質問5 初めて受けた仕事について教えてください。

ミュージシャンの人生を追ったドキュメンタリーでした。いっぱい赤を入れてもらって、とても勉強になりました。

質問6 現在は、どんな仕事をしていますか?

CSのドラマや、DVDの特典映像やらを中心に。映画の本編も少々。

質問7 映像ソフトやPCなど翻訳環境は日々変化していますが、使用しているPCや字幕ソフト、辞書はどんなものですか?

DellのInspiron530、SSTG1を使ってます。辞書は英辞郎やAmerican Heritageの英英辞典、あとはデジタル類語辞典、逆引き頭引き日本語辞典など。これからもっと増やしていく予定。

質問8 仕事の時間を確保するために何か工夫をしていますか?

特別なことは何もしておりません…。あえて言うなら頑張って寝ないこと?

質問9 では仕事の技術に関して、スキルを磨くために、日々気を付けていることは何ですか?

テレビをながめ、流行の音楽を聴き、話題の書を読み、マンガを漁り、詩集をのぞき、人の会話を盗み聞きするなどして、何とか八百万の語彙や言葉遣いが身に付かぬものかと、日々あがいております。ただ最近、回転している人影の画像を見て、時計回りに見えれば右脳をよく使い、反時計回りなら左脳をよく使う、というのが分かるという診断を試してみると、時計回りに見えました。いやいや、錯覚いけない、よく見るよろし、などと思いつつ。おーい。俺の言語能力をつかさどる左脳よ。今までないがしろにしてきたことは謝るから、ここいらでひとつ頑張ってみてはくれないか、と問いかけるもむなしく、人影は無情にも時計回りを続けるのでした。人生ままならぬものです。

質問10 思い出すと顔が青ざめる失敗なんてありますか?

パソコンがフリーズして、1日分の仕事が飛んだときは、焦りました。

質問11 今後は、どんな作品を翻訳したいですか?

映画やドラマが好きです。中でもコメディが向いてるような気がしています。でも、人が泣いたり怒ったり悲しんだり、どっと疲れたり悟りを開いたりアホになれたりする作品など、いろいろなものをやれたら幸せです。

質問12 映像翻訳の魅力って何ですか?

何でしょう。正解がないところでしょうか。あとは、いろんな人間や物語に触れられることですかね。


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